痔核・痔瘻・裂肛ガイドラインを解説する 痔瘻
肛門周囲膿瘍・痔瘻の症状,肛門周囲膿瘍に対する抗菌療法,痔瘻術後の便失禁発症率
栗原 浩幸
1
1所沢肛門病院
キーワード:
ドレナージ
,
抗細菌剤
,
術後合併症
,
消化器外科
,
発生率
,
便失禁
,
診療ガイドライン
,
痔瘻
,
直腸肛門周囲膿瘍
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Drainage
,
Fecal Incontinence
,
Postoperative Complications
,
Digestive System Surgical Procedures
,
Rectal Fistula
,
Incidence
,
Practice Guidelines as Topic
pp.653-657
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015271537
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肛門周囲膿瘍の症状は,肛門周囲における突然の痛みを伴う腫脹と発赤や発熱である.痔瘻の症状は,持続的または間欠的な膿の排出や肛門周囲の腫脹・圧痛である.肛門周囲膿瘍の治療原則は切開排膿とドレナージである.しかし広範な蜂窩織炎を併発している場合,全身的な合併症を有する場合,ドレナージだけでは改善しない場合には抗菌薬を投与すべきである.痔瘻術後に禁制(continence)の低下を認めることもあるが,本邦においての痔瘻術後の便失禁の発症率は低い.
©Nankodo Co., Ltd., 2015