膵切除をめぐる最近の話題
最善の膵切離法はあるのか 臨床試験について
島田 和明
1
,
堀 周太郎
,
江崎 稔
,
奈良 聡
,
岸 庸二
,
小菅 智男
1国立がん研究センター中央病院 肝胆膵外科
キーワード:
危険因子
,
膵切除
,
膵瘻
,
縫合法
,
臨床試験
,
外科的ステープリング
,
リスク評価
,
吻合部漏出
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Pancreatectomy
,
Pancreatic Fistula
,
Risk Factors
,
Suture Techniques
,
Surgical Stapling
,
Risk Assessment
,
Anastomotic Leak
pp.136-142
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014069740
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膵切離は膵切除を構成する重要な手技の一部である.最近ではさまざまな膵切離法が開発されてきた.ステイプラーによる膵切離は有用であるが,科学的根拠に基づいた評価はなされていない.メタアナリシスによる解析では,ステイプラー膵切離は膵液瘻発生の頻度を減少させる傾向はあるものの,ほかの膵切離に比較し優れているという証明はなされていない.最近ドイツで行われたDISPACT trialの結果では,膵液瘻の発生においてステイプラー膵切離は手縫い閉鎖を凌駕することはできなかった.現時点では理想的な膵切離法はなく,今後の革新的な技術に期待したい.膵液瘻の危険因子をよく理解し,確実なドレナージをおくことが重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2014