消化器癌併存症-周術期の対処法
膵頭十二指腸切除術の周術期管理
木村 理
1
1山形大学 第一外科
キーワード:
ドレナージ
,
インフォームドコンセント
,
術後管理
,
術前管理
,
消化器腫瘍
,
膵頭十二指腸切除
,
周術期管理
Keyword:
Drainage
,
Digestive System Neoplasms
,
Informed Consent
,
Postoperative Care
,
Preoperative Care
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Perioperative Care
pp.1091-1095
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012337949
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膵頭十二指腸切除術において、周術期管理は重要である。しかも高齢者が年々増加している現在では、なおさらである。当科では最近、159例の膵頭十二指腸切除例中17.6%が75歳以上である。重要なのは術後肺炎の予防である。われわれは術前に、トリフローで呼吸筋を鍛え、歩行練習や階段の昇り降り、ティッシュを使って行う実際の「痰出しの練習」などを施行し、好成績をあげている。術後には、さらに背部全体へのタッピングやバイブレータ、腹臥位療法、高圧酸素療法などを、適応があればいとわずに行う。術前の心構えとして「厳しい手術を受けるのだ」という認識を患者にもたせ、病気と闘う強い意志・姿勢を示させることが必要である。また、膵頭十二指腸切除術についてドレーンの留置部位、持続洗浄の方法と管理の必要性を述べた。
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