消化器癌併存症-周術期の対処法
感染症に対する周術期管理
竹末 芳生
1
,
池内 浩基
1兵庫医科大学 感染制御学
キーワード:
Clostridium difficile
,
Clostridium Infection
,
抗細菌剤
,
手術創感染
,
消化器外科
,
消化器腫瘍
,
周術期管理
,
Gram染色
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Clostridium Infections
,
Digestive System Neoplasms
,
Digestive System Surgical Procedures
,
Surgical Wound Infection
,
Clostridium difficile
,
Perioperative Care
pp.1051-1056
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012337942
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皮切部感染創が5cm未満の限られた範囲であり、全身の炎症症状が軽度であれば、ドレナージのみで抗菌薬は不要である。抗菌薬が必要と判断された場合でも24~48時間の短期間投与とする。膿のGram染色でブドウ球菌が疑われた場合にはvancomycinの使用も考慮する。Bacteroides fragilisグループは術後腹腔内感染から分離されることが多いが、clindamycin耐性化がすすんでおり、またcefmetazoleなどもnon-fragilis Bacteroidesでの活性が落ちており、米国では治療薬として推奨されていない。術後に下痢症状を認めた場合は、Clostridium関連感染を疑う必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2012