外科救急-実際の手順を追う
食道・胃・腸 食道破裂
篠崎 浩治
1
,
木全 大
,
小澤 壯治
1済生会宇都宮病院 外科
キーワード:
ドレナージ
,
食道鏡法
,
食道疾患
,
ステント
,
デブリードマン
,
破裂
,
治療成績
,
胸部CT
Keyword:
Debridement
,
Drainage
,
Esophageal Diseases
,
Esophagoscopy
,
Rupture
,
Stents
,
Treatment Outcome
pp.345-350
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012181550
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
食道破裂(穿孔)の原因には医原性、特発性、異物性、外傷性、腫瘍性などがあり、特に医原性では内視鏡検査に伴うものが多い。原因により破裂部位に差があり、特発性(Boerhaave症候群)では食道下部1/3左壁後壁が好発部位である。穿孔により食道内容による汚染から感染が引き起こる。縦隔汚染による縦隔炎併存例では依然として死亡率が高率であるため、発症後早期の診断と適切な治療の選択が重要となる。診断には胸部CT検査、食道造影検査が有用であり、軽度の汚染例を除き食道穿孔部閉鎖とドレナージを目的とした外科的治療が選択される。近年、食道ステント治療とドレナージによる保存的治療の報告も散見されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2012