吻合法 70年の変遷から学ぶこと
肝移植手術 肝移植手術
佐野 圭二
1
,
幕内 雅敏
1日本赤十字社医療センター 肝胆膵外科
キーワード:
医学用イラストレーション
,
肝臓移植
,
血管外科
,
吻合術
,
リビングドナー
Keyword:
Anastomosis, Surgical
,
Medical Illustration
,
Vascular Surgical Procedures
,
Liver Transplantation
,
Living Donors
pp.67-71
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008119499
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肝移植は1960年代に開始された新しい外科治療である。全肝移植における吻合は、血管吻合(下大静脈吻合、門脈吻合、動脈吻合)と胆管吻合であり、それぞれ基本的な手技が確立された。その基本手技を利用して部分肝移植が、本邦では主に生体肝移植が1989年から施行された。生体肝移植では脳死肝移植と比較してそれぞれの吻合口が小さく脈管長が短いため、さまざまな工夫が考案された。特に肝静脈吻合ではグラフト肝が肥大することによる吻合部の位置のずれを想定し、側方だけでなく左肝系グラフトでは頭側に、右肝系グラフトでは腹側にドーム状にふくらみをもたせる。凍結保存同種静脈グラフトを用いることにより、この静脈形成を十分に施行できる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008