発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006203148
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FDG(2-fluoro[18F]-2-deoxy-d-glucose)を用いたPET検査(FDG-PET)は,癌細胞が正常細胞に比較して糖代謝が亢進し,ブドウ糖の摂取が高い特性を利用した画期的な検査として高く評価されている.しかし胃癌は,悪性腫瘍の中でもFDG-PET検査での検出が比較的困難であるとされている.その理由として,第一に胃の生理的集積のため判定不能例が存在すること,第二に癌細胞の分化度,すなわち細胞密度,粘液量,glucose transporter 1の発現などによりFDG集積が異なること,第三に腫瘍径の小さい病変,深達度の浅いいわゆる早期の病変の検出率がわるいことなどがあげられる.消化器癌領域全般では,検診診断,良悪性鑑別,病期診断,再発診断,さらには治療効果判定,効果予測,予後評価など幅広く臨床研究がすすんでおり,胃癌においても限界はあるものの有用性はある.最近のthin sliceのCTとFDG-PETを重ね合せたPE/CTの臨床応用を含めた臨床研究がすすむことにより,今後さらに有効な診断手法として進化を遂げるであろう
©Nankodo Co., Ltd., 2006