発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003071190
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1986~2000年に行った小腸悪性腫瘍15例の手術において,頻度が高い悪性リンパ腫,癌,平滑筋肉腫を中心に,その臨床的特徴や予後について検討した.初発症状は5例がイレウス症状を初発としていた.そのうち4例はイレウスによる緊急手術を施行し,その時に小腸腫瘍の診断がついた.9例が術前に小腸腫瘍と診断され,又,緊急手術を除くと10例中9例が術前に診断された.小腸原発の悪性腫瘍14例では,肉眼的完全切除できなかったものは1例のみで,13例に完全切除が可能であった.小腸腫瘍は早期発見がむずかしく予後がわるいといわれているが,完全切除を行えば長期生存症例があり,常に小腸腫瘍を念頭においた対処が必要であると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2002