発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003026451
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画像所見上,肝細胞癌および転移性肝癌の鑑別に苦慮した肝腫瘍の2症例(52歳男,56歳男)報告した.両例ともウイルス性肝炎を伴った消化管癌合併症例であり,当初から鑑別診断として肝細胞癌および転移性肝癌の両方を念頭に置く必要があった.更に症例1では,組織型が高分化型肝細胞癌で動脈血流に乏しく,血管造影,血管造影下CTで比較的乏血性に描出されたことも,術前診断に難渋した原因であった.症例2ではFeridex MRIで腫瘍中心部が低信号を示し,Kupffer細胞の存在が疑われ,転移性肝癌に一致しない所見であったことと,血管造影検査およびパワードップラ超音波検査で比較的多血性に描出され,Levovist造影後にも肝細胞癌に特徴的なbasket signを認めたことが原因であった
©Nankodo Co., Ltd., 2002