発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002273242
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膵尾側切除術(DP)症例58例を対象に,超音波外科吸引装置(CUSA)を使用した症例(UD群)及び従来法による症例(CV群)の2群でrandomized control studyを行った.DP群における膵液瘻発生率はCV群ので31例中8例に対し,UD群では27例中1例と有意に低率であった.膵液瘻に起因する死亡例はなかった.膵切離に要した時間はCV群19.1±4.8分,UD群23.0±2.8分とUD群でやや長かったが,殆ど問題にならないと思われた.CUSAで膵切離を行った膵頭十二指腸切除術(PD)57例中38例は膵管嵌入法により再建したが,そのうち5例に術後膵液瘻を合併した.膵管空腸粘膜吻合を行った膵管拡張例19例は全て線維化による膵の硬化を認め,術後に膵液瘻は認めなかった.膵縫合不全の発生は皆無で,術後出血にて1例が再開腹止血術を受けた他再開腹例はなく,死亡例もなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2002