発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017209359
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旭川医科大学病院心臓大血管外科において収益適正化を目的とした現状分析と業務改善努力を行った。2014年1月から1年9ヵ月間の診療実績分析を行い、2014年度下半期までの分析結果をもとに経営指標の改善策として、外来での術前検査の施行、術前自己血貯血の積極活用、必要度が低く高価な物品の使用停止、高額な薬物の制限的使用、術後の病棟での輸血の制限的使用を試みた。その結果、2014年度に入って医業収益は大幅に増加したにもかかわらず、医療費率、粗利率に大きな変化はなかったが、改善策を開始した2015年度上半期の経営指標は大幅に改善した。特に医業収益に対する薬品費の割合が大幅に減少し、高額な薬剤の制限的使用と術後輸血の制限的使用が大いに反映したと考えられた。今回、改善策の実施により医療収益と医療指標の改善に成功したが、最も効果的な経営指標改善策は術後合併症の削減に尽きると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017