発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014367321
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63歳女。家族内に心臓病患者がいることから検査目的で近医受診し、偶然に右房内腫瘤を発見された。経胸壁心エコーで右房内に可動性を有する30mm大の腫瘤を認め、心房中隔に付着していた。腫瘤はMRIでT1・T2強調像とも等信号を示し、粘膜腫に矛盾しない所見であった。摘出術を行い、右房を切開したところ30×25mmの嚢胞を認め、嚢胞は容易に破れ暗赤色の液体が流出した。嚢胞は卵円窩に付着しており、心房組織ごと切除し、中隔の壁欠損部を自己心膜パッチで修復した。病理検査で嚢胞の被膜は白色調で非常に薄く、異型性に乏しい内皮細胞と線維性細胞で構成されていた。被膜の一部は石灰化していた。腫瘍成分は認めなかった。血管に類似した内容物を有し、心内膜に類似した細胞を含む嚢胞であったことから、心内膜血液嚢胞と診断した。術後経過は良好で、術後14日に独歩退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014