弁形成術の工夫と手術成績
粘液変性僧帽弁閉鎖不全症に対する弁形成術 弁尖切除の早期・遠隔成績の検討
坂本 吉正
1
,
儀武 路雄
,
松村 洋高
,
山城 理仁
,
山本 裕介
,
橋本 和弘
1東京慈恵会医科大学 心臓外科
キーワード:
腱索
,
再手術
,
再発
,
術後合併症
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
治療成績
,
僧帽弁形成術
,
Kaplan-Meier法
Keyword:
Chordae Tendineae
,
Mitral Valve Insufficiency
,
Postoperative Complications
,
Recurrence
,
Reoperation
,
Treatment Outcome
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Mitral Valve Annuloplasty
pp.280-286
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012219123
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粘液変性僧帽弁閉鎖不全症に対し弁形成術を施行した172例(男123例、女49例、平均56歳)の成績を報告した。後尖逸脱は98例中96例で弁尖切除を施行し、2例はloop法による人工腱索再建を行った。前尖逸脱は47例中40例で三角切除を行い、7例は人工腱索再建を併用し、人工腱索のみによる再建は6例であった。両尖逸脱は2ヶ所切除が13例、3ヶ所が4例で、人工腱索併用は1例であった。交連部病変10例はedge to edge法が多かった。僧帽弁形成術達成率は97.7%、手術死亡は5例で、脳梗塞2例、脳出血、低心拍出症候群、肺炎各1例であった。術後残存逆流はtrivial以下が134例、mild 26例、moderate 12例であった。平均観察期間8.7年で遠隔死亡は9例認め、突然死4例、脳梗塞2例、脳出血、肺炎、事故死各1例で、15年生存率は89.2%であった。経過中に7例が再手術となり、前尖病変5例、後尖1例、交連部1例で、再手術回避率は15年で94.4%であった。
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