発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012184027
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症例1は70歳女性で、全身+硬膜外麻酔下に右肺腺癌に対し右肺下葉切除術を行った。麻酔導入(硬膜外針穿刺)時に硬膜穿破による髄液漏出は認めなかった。術直後、立位や坐位で増悪し臥位で改善する起立性頭痛(PDPH)が出現した。髄液瘻を疑い、細胞外輸液等を行ったが、膿胸を発症した。持続ドレナージ術と抗生物質投与を開始し、5日で症状が消失した。症例2は67歳女性で、全身+硬膜外麻酔下に右肺腺癌に対し右肺上葉切除術を行った。麻酔導入(硬膜外針穿刺)時に硬膜穿破による髄液漏出は認めなかった。術直後にPDPHが出現し、髄液瘻を疑った。硬膜外生理食塩水持続注入法(CESI)を開始し、約3時間で症状が消失した。症例1は76歳女性で、全身+硬膜外麻酔下に右肺腺癌に対し右肺上葉切除術を行った。麻酔導入(硬膜外針穿刺)時に硬膜穿破による髄液漏出が認められた。髄液瘻によるPDPHの予防のため、術直後よりCESIを行った。その後、PDPHは出現しなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011