発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011192872
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70歳男性。患者は腹部大動脈瘤術直後より両側足首以下は色調不良で冷感を認め、末梢動脈の拍動も触知されなかった。そこで、両側閉塞症に対し初回手術終了8時間後に緊急塞栓除去術が追加されたが、粥腫はまったく除去できず、血流の改善も得られなかった。コレステロール塞栓症が強く疑われ、術後は両側大腿動脈よりPGE1の持続動注内注入を開始したところ、両側の末梢動脈拍動は触知可能となったが、両側足趾の壊死性変化は急速に進行した。そのため、ステロイド全身投与やLDL-Aなどの積極的加療が行われるも、多臓器不全が進行し、患者は術後38日目に死亡となった。尚、本症例では病理解剖の承諾は得られなかったが、その臨床経過からコレステロール塞栓症と診断された。
©Nankodo Co., Ltd., 2011