胸部大動脈瘤に対するステントグラフト法の工夫
大動脈緊急症 胸部大動脈緊急症に対するステントグラフト療法
中井 幹三
1
,
奥山 倫弘
,
清水 秀二
,
加藤 源太郎
,
越智 吉樹
,
岡田 正比呂
1国立病院機構岡山医療センター 心臓血管外科
キーワード:
胸部外傷
,
ステント
,
大動脈破裂
,
失血-外科
,
大動脈瘤-胸部
,
治療成績
,
手術時間
,
ステントグラフト内挿術
Keyword:
Aortic Rupture
,
Thoracic Injuries
,
Stents
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
,
Operative Time
pp.69-73
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011103426
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胸部大動脈緊急症に対するステントグラフト(SG)療法の治療成績を検討した。胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)を行った破裂性胸部大動脈瘤(RTAA)7例、外傷性胸部大動脈損傷急性期(TAI)6例を対象とした。全例で初期成功が得られ、手術死亡はなかった。手術合併症として、大腿動脈アプローチを行った女性例で腸骨動脈の解離をきたしたため、ステント留置を追加した。debranching例と腸骨動脈アプローチ例では時間が長く、出血量が多い傾向にあった。遠隔期死亡は4例で、死因は肝不全、老衰、脳挫傷不明各1例であった。生存例のうち術後大動脈関連イベントとして、debranchingを併用したRTAA例に術後24ヵ月でtype IIIエンドリークが明らかとなり、追加治療を検討中である。その他の症例の瘤に拡大傾向はなく、特にTAI例では3/4で病変は消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011