心房細動に対する外科治療
肺静脈隔離術 人工心肺を用いないoff-pump肺静脈隔離術の現状と展望
深原 一晃
1
,
土居 寿男
,
山下 重幸
,
湖東 慶樹
,
三崎 拓郎
1富山大学 第一外科
キーワード:
心房細動
,
肺静脈
,
バルーン拡張法
,
カテーテル切除術
,
治療成績
,
非体外循環下冠状動脈バイパス術
Keyword:
Atrial Fibrillation
,
Pulmonary Veins
,
Treatment Outcome
,
Catheter Ablation
,
Coronary Artery Bypass, Off-Pump
pp.284-289
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010186372
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2004年8月~2007年7月に人工心肺を用いない心拍動下冠状動脈バイパス術とoff-pump肺静脈隔離術(PVI)の同時手術を計画した22例(男16例、女6例、平均年齢72.6歳)を、off-pump PVIが完遂できた13例とできなかった9例に分け比較検討した。完遂例での心房細動回避率は発作性心房細動8例においては100%であったが、慢性心房細動5例においては20%であった。非完遂例はすべて左側PVIに際し十分な術野展開が不可能で循環を維持できなかったことが原因であった。心拡大を有する症例や低心機能例に施行できるoff-pump PVIとして心臓脱転の必要がない高周波バルーンカテーテルを用いた手法を考案した。ミニブタを用いた基礎実験では左房・肺静脈間の前庭部が円周状に5~8mm幅で焼灼され組織学的には貫壁性の凝固壊死像を得たが、臨床応用にはさらなる研究が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010