特集 循環器疾患を有する患者の妊娠・出産
治す 遺伝カウンセリングが必要な循環器疾患と実際 本人・家族にはどのようなことを話しておくか
森崎 裕子
1
1榊原記念病院 臨床遺伝科
キーワード:
Ehlers-Danlos症候群
,
Marfan症候群
,
QT延長症候群
,
遺伝相談
,
心臓疾患-先天性
,
妊娠合併症-心臓血管系
,
遺伝学的検査
,
Loeys-Dietz症候群
Keyword:
Ehlers-Danlos Syndrome
,
Genetic Testing
,
Genetic Counseling
,
Heart Defects, Congenital
,
Long QT Syndrome
,
Marfan Syndrome
,
Pregnancy Complications, Cardiovascular
,
Loeys-Dietz Syndrome
pp.433-437
発行日 2017年4月9日
Published Date 2017/4/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017201298
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循環器疾患を基礎にもつ女性の妊娠・出産に際し,遺伝カウンセリングが必要となる場面としては,1)本人自身が有する単一遺伝子疾患の病態により,妊娠・出産に際し特別な配慮と注意を必要とする場合,2)次世代への遺伝が問題となる場合,の2つに大別される。1)の例としては,Marfan症候群や血管型Ehlers-Danlos症候群などの遺伝性結合組織異常症や遺伝性不整脈などで,妊娠から産褥期にかけての循環動態の変化により,疾患自体の悪化や合併症を発症する危険性が高いため,妊娠自体がハイリスクと考えられている。こうした疾患では,妊娠前の遺伝カウンセリングにより,本人およびパートナーに妊娠に伴うリスクを正しく理解してもらうことが特に重要である。2)は,循環器疾患を合併したすべての単一遺伝子病が対象となるが,その他,多因子疾患としての先天性心疾患患者が次世代への遺伝を心配して遺伝カウンセリングを希望される場合もよくある。こうした患者に対し,次世代での再発リスクや診断・治療を含めた実際の対応について正しい知識を提供する必要がある。
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