発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007050565
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2002年4月~2005年3月に体外循環を使用せずに上大静脈と肺動脈または心房を連結する一時的バイパス下に行うBDG(off-pump)手術を施行した18例(男児10例、女児8例、平均年齢4.5±2.4)を対象に、一時バイパスの前・中・後の血行動態およびSpo2の変動と、術後早期の臨床経過を調査した。その結果、一時バイパス時間の長短にかかわらず血行動態はおおむね安定しており、低血圧や低酸素飽和度をきたして体外循環へ移行した症例はなかった。TPGは術後平均6.7±3.6mmHg、術後24時間平均5.6±1.2mmHgでこれは本法により炎症かつ物理的肺血管抵抗上昇作用を回避したことを示したと考えられた。退院時の心エコーで吻合部位の軽度の乱流を1例認めたが全例軽快退院した。追跡可能(2~23ヵ月)の14例中3例に吻合部位の軽度乱流を認め、チアノーゼ進行を認めた1例に左SVCと両側SVCを結ぶ交通を発見し再手術で左SVCの心房流入を結紮した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006