発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006313871
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34歳男.患者は労作時呼吸困難を主訴に近医を受診,大動脈弁輪拡張症による大動脈弁閉鎖不全と診断され,手術目的で紹介となった.Bentall型手術を用いて大動脈基部置換術を施行,当初,術式に起因する出血は認めなかったが,体外循環離脱後に著明な出血傾向を認めて止血に難渋し,赤血球・新鮮凍結血漿・血小板製剤の大量輸血で止血した.術直後もドレーン出血量はやや多かったが輸血で対処し,術翌日に抜管した.以後,順調に経過したものの退院前に出血凝固系の検索を再度行ったところ,第VIII因子活性のみ29%と低下を認め,血友病A(HA)と診断された.術後の抗凝固療法は通常の機械弁による弁置換術患者と同様に行い,現在まで問題なく経過している
©Nankodo Co., Ltd., 2006