発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005120236
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大動脈縮窄(CoA),または大動脈弓離断(IAA)を合併する完全大血管転位症10例に対する二期的根治術について検討した.第一期手術は大動脈再建と肺動脈絞扼術(PAB)を原則とした.CoAの4例にはsubclavian flap(SAF)を,IAAの5例にはBlalock-Park手術(BP)を,大動脈弓低形成を伴ったCoAの1例にはreverse SAF+直接吻合を行った.手術死亡はなく,大動脈弓部の再建は全て有効であった.続発症として,1例が対麻痺を発症した.また,PAB後に末梢側へのmigrationを4例に認め,1例には再PABを行った.上行大動脈径は発育傾向にあった.対麻痺を発症した1例を除く9例に,第二期手術として動脈スイッチ手術を行った.冠状動脈走行異常を伴った1例が死亡した.また,術後に低心拍出量症候群,脳障害を併発した症例もあり,遠隔期続発症では肺動脈弁狭窄の発症が多かった.BPおよびSAF+PABを第一期手術とする二期的根治術は,比較的安全に行える有用な術式であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005