特集 自閉症の生物学
自閉スペクトラム症の遺伝学研究の最近の進歩
木村 大樹
1
,
Aleksic Branko
,
尾崎 紀夫
1名古屋大学 大学院医学系研究科精神医学分野
キーワード:
変異
,
小児発達障害-広汎性
,
配列分析
,
SNPs
,
遺伝子コピー数多型
Keyword:
Child Development Disorders, Pervasive
,
Mutation
,
Sequence Analysis
,
Polymorphism, Single Nucleotide
,
DNA Copy Number Variations
pp.453-457
発行日 2015年4月22日
Published Date 2015/4/22
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自閉スペクトラム症(ASD)の遺伝要因として,従来は細胞遺伝学の手法により観察可能な染色体異常や症候性ASDの原因遺伝子に関する知見が主であった.しかし,マイクロアレイや次世代シークエンサーなどの遺伝子解析技術の進歩により1塩基変異(SNV)やゲノムコピー数変異(CNV)などの,頻度は低いが大きな効果を有するrare variantに近年注目が集まるようになっている.同定されたASD関連遺伝子に共通の生物学的パスウェイが同定されつつあり,今後はASDの診断を遺伝学的知見から再構築していくことが求められる.
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