特集 知っておきたい循環器疾患のCT・MRI(2)─胸部・腹部・末梢血管疾患Case Review─
腹部 消化管出血
木下 知
1
,
長谷川 哲也
,
松浦 智徳
,
高瀬 圭
1東北大学病院 放射線診断科
キーワード:
血管造影
,
止血法
,
消化管出血
,
小腸疾患
,
腹部CT
Keyword:
Angiography
,
Hemostatic Techniques
,
Gastrointestinal Hemorrhage
pp.1104-1105
発行日 2015年7月25日
Published Date 2015/7/25
DOI https://doi.org/10.15105/J00235.2015339366
- 有料閲覧
- 文献概要
症例1 30 歳台,男性.Stanford A 型大動脈解離により保存療法中であったが,呼吸不全,敗血症性ショックを合併し人工呼吸管理となっていた.発症から2 か月後,急激な血圧低下を認めた.赤褐色調の便より下部消化管出血が疑われた.造影CT にて拡張した小腸内に造影剤の血管外漏出像が認められたため,経カテーテル動脈塞栓術が施行され止血を得た.さらに,同CT にて腹膜炎を疑う所見があったことから小腸穿孔が疑われ,開腹手術が行われた.広範囲の小腸に癒着があり,切除された腸管には粘膜の壊死脱落が認められ,絞扼性イレウスや非閉塞性腸間膜虚血(non-occlusive mesenteric ischemia;NOMI)などが疑われた.
Copyright © 2015, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.