特集 “現場的”外傷画像診断とIVR ~命を救うRadiologyのチカラ
5章 外傷IVRの実践的な戦略と戦術 3 外傷IVRにおけるピットフォール
平野 貴規
1
,
和田 武
1
,
近藤 浩史
1
,
一ノ瀬 嘉明
2
1帝京大学医学部 放射線科学講座
2国立病院機構災害医療センター 放射線科
キーワード:
凝固異常
,
遅発性仮性動脈瘤
,
肋間動脈塞栓
Keyword:
凝固異常
,
遅発性仮性動脈瘤
,
肋間動脈塞栓
pp.S154-S164
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000005371
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• 外傷IVRにおいては,凝固異常の存在と程度を認識し,治療戦略を練る必要がある.
• 解剖学的な血管吻合を理解し,可能な限り出血部の完全な孤立化(isolation)を達成することが重要である.
• 骨盤部の外傷IVRでピットフォールになりうる血管として,正中仙骨動脈,死冠(corona mortis),遺残坐骨動脈などが挙げられる.
• 脾損傷などの鈍的臓器損傷症例では,受傷後1~2週間頃まで遅発性仮性動脈瘤形成に注意する.
• 肋間動脈や腰動脈を塞栓する際には,脊髄枝を分岐しうることを理解し,血管造影所見の丹念な評価や塞栓物質・範囲の選択が重要である.
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