Refresher Course
Groove膵癌の画像診断 ―その概念と診断法―
蒲田 敏文
1
,
井上 大
1
,
戸島 史仁
1
,
小林 聡
1
,
池田 博子
2
,
北川 裕久
3
1金沢大学附属病院放射線科
2金沢大学附属病院病理部
3倉敷中央病院外科
pp.1322-1331
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000004953
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
groove膵癌は膵頭部と十二指腸下行脚の間の溝(groove)を主体に進展する膵癌を指す.十二指腸狭窄と十二指腸球後潰瘍による下血や総胆管狭窄(閉塞)による黄疸で発症する症例が多い.grooveに沿って上下方向に進展する索状の腫瘤を形成する.早期から十二指腸と総胆管へ浸潤する傾向が強いが,膵実質への浸潤は目立たないため,膵頭部は一見正常にみえる.主膵管にも変化を認めない症例も多い.したがって,十二指腸狭窄と総胆管狭窄を示す症例ではgroove膵癌の可能性を疑って精査を行う必要がある.groove膵炎との鑑別には十二指腸粘膜生検が有用であるが,癌の浸潤が十二指腸粘膜下に留まる場合は生検でも診断できないことも認識しておく必要がある.
Copyright © 2023, Gakken All rights reserved.