特集 子宮内膜症の病態と画像診断 ―温故知新
子宮内膜症の診断に有用なadvanced MR techniques
竹内 麻由美
1
,
松崎 健司
1,2
,
原田 雅史
1
1徳島大学医学部放射線科
2徳島文理大学保健福祉学部診療放射線学科
キーワード:
子宮内膜症
,
磁化率強調シーケンス
,
computed DWI
,
reduced FOV DWI
Keyword:
子宮内膜症
,
磁化率強調シーケンス
,
computed DWI
,
reduced FOV DWI
pp.797-804
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000004707
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●子宮内膜症性病変の診断には,異所性内膜からの出血を鋭敏に検出するT2*強調像をベースとした磁化率強調シーケンスが有用である.嚢胞壁に沈着したヘモジデリンによる点状~弧状の信号消失域は子宮内膜症性嚢胞に特徴的であり,稀少部位子宮内膜症においても出血巣の検出が診断の一助となる.
●造影剤が使用できない症例では,子宮内膜症関連卵巣腫瘍の充実部と子宮内膜症性嚢胞内の凝血塊との鑑別に磁化率強調シーケンスが有用なことがある.
●子宮内膜症に関連して発生する良性の腫瘍類似疾患は悪性病変と紛らわしい性状を呈し,鑑別が問題となることがある.拡散強調像(DWI)ではT2 shine-through効果によりしばしば高信号を呈するが,computed DWIによる高b値計算画像が鑑別に有用である.
●出血などの混在により粘稠な内容液はしばしば拡散強調像で高信号を呈するが,高b値計算画像では嚢胞内容液の信号が低下し,悪性の充実部の描出に有用なことがある.
●computed DWIとreduced FOV DWIとの併用による高分解能高b値計算画像は,小さな壁在結節の評価に有用と考えられる.
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