投稿 原著
正期産児の軽症~中等症低酸素性虚血性脳症における視床基底核病変を伴わないMRIパターンと予後の検討
早川 克己
1
,
短田 浩一
1
,
木下 大介
1
,
西村 陽
1
,
佐野 優子
1
,
西本 雅和
2
,
山田 惠
2
,
吉田 菜穂子
3
,
廣田 陽代
3
,
柴田 実千代
3
,
中村 惠子
3
1京都第一赤十字病院放射線診断科,新生児科・小児科
2京都府立医科大学放射線診断治療学講座
3聖ヨゼフ医療福祉センター小児神経科
pp.237-243
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000004386
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
【目的】 正期産児における軽症~中等症の低酸素性虚血性脳症には3 つのM R I上のパターンが存在し,その各々の症例群と神経発達予後の相関について検討した.
【対象・方法】 正期産児低酸素性虚血性脳症を示した症例の中で,MRIにて基底核損傷を示した症例を除いた33 症例を対象とした.臨床予後は3 段階に分類した.すなわち,正常予後,不良には該当しない発達障害などを軽度不良予後,および不良予後(死亡,脳性麻痺,重度の精神遅滞など)に分類した.
【結果】 normal pattern 群(n=18)では,全例正常予後を示した.white matter injury(WMI)pattern 群(n =10)では,正常予後8 例,軽度不良予後2 例,分水嶺梗塞のパターンを示すwatershed pattern群(n=5)では,正常予後と軽度不良予後が1例ずつ,不良予後3 例であった.
【結論】 WMI pattern群は,watershed pattern群に比べて明らかに良好な臨床予後を示した.
Copyright © 2023, Gakken All rights reserved.