特集 Value based medicine時代の心血管画像診断
FFR-CTによる心筋虚血評価とPCIの適正化
横井 宏佳
1
1福岡山王病院循環器センター
キーワード:
FFR-CT
,
心筋虚血
,
適正化
Keyword:
FFR-CT
,
心筋虚血
,
適正化
pp.1217-1226
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001927
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FFR-CTのエビデンスがわが国の臨床現場に外挿可能であるかを検討するために,当院においてPMDA承認後の2017年9月より保険償還前の2018年12月まで臨床評価を行った.冠動脈疾患が疑われ冠動脈CTを施行した症例で,有意狭窄病変を認めなかった侵襲的冠動脈造影の施行率は,FFR-CT導入前56%から導入後8%へ86%有意に低下した.導入前後の1年間で冠動脈疾患が疑われ冠動脈CTを施行した症例で,FFR-CTは冠動脈CTの25%に施行され,PCI,心臓核医学検査の件数に変化は認めなかったが,冠動脈造影が55%減少し,侵襲的FFR/iFRが35%減少し,PCI症例当たりのステント本数は10%減少した.医療経済的分析では12%の医療費の削減効果を認めた.当院での臨床使用経験から,FFRCTはわが国における慢性冠症候群に対する適正な虚血評価とPCIの適正化に有益であると結論する.
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