特集 解剖と病態生理から迫る呼吸器画像診断
第Ⅱ章 サブマクロ解剖と病変の画像 4 小葉構造と間質性肺炎-“小葉・細葉辺縁”を理解する-
岩澤 多恵
1
,
武村 民子
2
1神奈川県立循環器呼吸器病センター放射線科
2神奈川県立循環器呼吸器病センター病理診断科
キーワード:
Miller
,
Reid
,
肺末梢構造
,
UIP
,
胸膜隔壁接合部の線維化
,
小葉辺縁構造
,
蜂巣肺
Keyword:
Miller
,
Reid
,
肺末梢構造
,
UIP
,
胸膜隔壁接合部の線維化
,
小葉辺縁構造
,
蜂巣肺
pp.A140-A153
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001901
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• 特発性肺線維症(IPF)は,原因不明の肺の線維化が緩徐に不可逆的に進行する予後不良の疾患であり,診断にはCT が重要である.代表的な病理・画像パターンはusual interstitial pneumonia(UIP)パターンを示す.
• UIP の病理組織像の特徴は,空間的・時間的不均一性である.小葉辺縁優位に肺胞の虚脱を伴う線維化がみられ,線維化と正常肺との境界は急峻である.
• CT では小葉・細葉辺縁構造が顕在化し,横断像では胸膜直下の棘状構造,胸膜に平行な断面では大小不揃いな多角形の構造がみられる.
• この多角形の辺は小葉間隔壁の肥厚ではなく,隔壁に接した肺胞の虚脱線維化であり,病変部分の肺容積減少を伴う.Reid の二次小葉は10mm 前後で,肺のどの部位でも揃っているとされる.Reid の二次小葉を意識することで,局所の肺胞虚脱を推測することができる.
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