特集 進展経路からアプローチする頭頸部癌の画像診断
2. 鼻副鼻腔癌に関連する進展経路 2.4 翼口蓋窩・神経周囲進展
藤間 憲幸
1
1北海道大学病院放射線診断科
キーワード:
翼口蓋窩
,
神経周囲進展
Keyword:
翼口蓋窩
,
神経周囲進展
pp.832-834
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001199
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上顎洞癌において翼口蓋窩への進展はT3である(篩骨洞癌,鼻腔癌は翼口蓋窩がT分類に含まれていない).翼口蓋窩は上顎から頭蓋内,眼窩内などの離れた部分との連絡経路として働くため,いわゆるT4a〜T4bといったadvanced stageの前段階でみられる進展範囲として非常に重要な領域である.また,同領域における三叉神経第二枝を起点として複数の神経が同部を通過しており,神経周囲進展が生じる頻度の最も高い領域である.神経周囲進展は鼻副鼻腔癌の主体をなす扁平上皮癌でもみられるが,腺様嚢胞癌で特によく認められる.翼口蓋窩の病変の進展が認められた際は,孔構造を介したその先を常に確認する必要がある.
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