特集 進展経路からアプローチする頭頸部癌の画像診断
1. 上咽頭癌に関連する進展経路 1.2 頸動脈鞘・頸静脈孔・舌下神経管進展
久保 優子
1
,
久野 博文
2
1国立がん研究センター中央病院放射線診断科
2国立がん研究センター東病院放射線診断科
キーワード:
頸動脈鞘
,
頸静脈孔
,
舌下神経管進展
Keyword:
頸動脈鞘
,
頸静脈孔
,
舌下神経管進展
pp.820-821
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001193
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上咽頭癌はRosenmüller窩を含む側壁から発生することが最も多い.Morgagni洞などを介した側方進展(1.1 p.818-819参照)からさらに後側方へ進展した腫瘍は,傍咽頭間隙後茎突区(頸動脈鞘もしくは頸動脈間隙)に浸潤すると,頸静脈孔や舌下神経管への進展の経路となる.画像所見のみで頸動脈鞘に至る進展はT4とはならないが,腫瘍が同領域を走行する下位脳神経(IX〜XII)に浸潤し,臨床的に神経症状を来すとT4の診断となる.そのため,診察時の下位脳神経症状の有無については確認しておく必要がある.また,頸静脈孔・舌下神経管は頭蓋内進展(T4)の経路となる.
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