画像診断と病理
肝血管筋脂肪腫
正岡 佳久
1
,
金澤 右
1
,
田中 顕之
2
1岡山大学病院放射線科
2岡山大学病院病理診断科
キーワード:
肝血管筋脂肪腫
,
間葉系腫瘍
Keyword:
肝血管筋脂肪腫
,
間葉系腫瘍
pp.614-615
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000000543
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40歳台,女性.健診で便潜血陽性を指摘され,精査の際に腹部超音波検査で肝腫瘤を指摘された.受診時の腹部CTでは,肝S5から肝外へ突出するように7cm大の腫瘤を認めた.単純CTでは明らかな脂肪の吸収値は認めなかった(図1-A).ダイナミックCT動脈相で早期濃染を認め,腫瘤内部には血管構造もみられた(図1-B).また,動脈相で中肝静脈の描出も認めた(図1-C;→).平衡相(非提示)では周囲肝実質よりやや低吸収を呈した.Gd-EOB MRIでは,動脈相での濃染,平衡相でのwashoutを認め,肝細胞相ではGd-EOBの取り込みを認めなかった.また,腫瘤のごく一部にT1強調像in-phaseに比し,out-of-phaseで信号低下を呈する部位を認め,微量の脂肪の含有が疑われた(図2; →).破裂の危険性があるため,動脈塞栓術を施行後に肝S5亜区域切除を施行した.
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