特集 バイオNMR:細胞内分子の真の動的構造と相互作用を明らかにする
【第2部】バイオマス解析への応用 複雑系高分子群に挑むバイオマスNMRの世界
小松 功典
1
,
菊地 淳
2
1横浜市立大学大学院生命医科学研究科 博士後期課程,理化学研究所環境資源科学研究センター 大学院生リサーチアソシエイト
2理化学研究所環境資源科学研究センター チームリーダー
キーワード:
難溶性
,
構造・化学シフト相関
,
データドリブン型解析
Keyword:
難溶性
,
構造・化学シフト相関
,
データドリブン型解析
pp.843-849
発行日 2014年7月22日
Published Date 2014/7/22
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生命は外界から摂取したエネルギーを代謝して超有機体を形成し,やがて死して分解される.この超有機体成分の中で死して分解されにくいバイオマスとして多糖とリグニンの複合体からなるリグノセルロースがある.筆者らは,NMR法が低分子から高分子の複合系を計測できるきわめて汎用性の高い分析手法である特性に着目し,種々の溶液および固体NMR法を駆使したリグノセルロース解析に挑戦してきた.本稿では,水陸バイオマス複合系の組成や構造変動を追跡する世界動向のみならず,自然界のバイオマス循環理解や農工業的利用を目指し,他の分析手法と組み合わせた筆者らの統合解析技術構築の試みも紹介する.
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