特集 Evidence Update 2026
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4 スペシャリストが推す必見論文!その見解と考察
-7|プライマリ・ケアにおける消化器疾患の個別化医療:最新エビデンス
三原 弘
1,2
1札幌医科大学医療人育成センター 教育開発研究部門
2札幌医科大学医療人育成センター 医学部 総合診療医学講座
pp.183-189
発行日 2026年1月5日
Published Date 2026/1/5
DOI https://doi.org/10.15104/th.2026020010
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Key Points
・胃食道逆流症(GERD)の診断・治療では,画一的アプローチから脱却し,解剖学的・遺伝的背景に応じて内視鏡適応や治療法(プロトンポンプ阻害薬,外科)を個別化する時代へと移行している.
・過敏性腸症候群(IBS)では症状や治療目標に応じて食事療法(低FODMAP食など)を選択する個別化アプローチの重要性,症候性胆石症では厳格な基準で手術適応を判断し不要な手術を回避しうる可能性が示された.
・代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の薬物療法として,治療目標(線維化改善かMASH解消か)に応じて最適な薬剤を選択する個別化戦略の有用性が示唆された.
・膵外分泌機能不全(PEI)では,原因疾患や重症度に応じた診断・治療の個別化管理と,患者背景に基づく膵酵素補充療法(PERT)の投与量最適化が重要である.
・米国の消化器がん検診ではリスク層別化が導入され,胃がんは高リスク群に限定して内視鏡検査が推奨されており,高リスク国の日本では今後の推移を注視する必要がある.
・遠隔医療は急性期の軽症疾患を補完しうるが,処方パターンの変化や身体診察の欠如には留意が必要である.
・プライマリ・ケア医は,患者背景を踏まえて専門医と連携し,最新エビデンスに基づく個別化ケアを提供すると共に,効率的な医療制度への提言も期待される.

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