第2特集 不登校に対して医師ができること
「学校に行けてない」と言われたら
不登校ガイドラインの紹介
松原 直己
1
1東京北医療センター 小児科
pp.777-779
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025060017
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はじめに
近年,少子化が予想を上回るペースで進み,出生数は10年間で30万人減少し,2024年は70万人前後とされている.子どもの数は減っているが,不登校の人数は逆に10年間で20 万人以上増加し,2023 年度は34 万6 千人(小中学生)であった1).増え続ける不登校児が医療機関に相談に来ることも少なくない.「不登校」とは医学的診断名ではなく,「学校に行っていない」という状態のみを表わす言葉である.その背景はさまざまであり,対応もさまざまである.さまざまであるものを「不登校」と1つに括ることは難しいのだが,それを主訴に受診された児に対する方略は必要になる.小児心身医学会では『小児科医のための不登校診療ガイドライン』2)を作成しており,2025年には第3版が発刊される.今回は不登校診療ガイドラインを概説し,改訂・追記内容に関して簡単に紹介する.

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