第1特集 いつもの発熱診療をすり抜ける重症感染症
見逃したくない感染症リスト
糞線虫症
松尾 裕央
1
1大阪大学医学部附属病院 感染制御部/感染症内科
pp.758-763
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025060013
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Point
― 糞線虫感染は患者の出身地や居住歴から疑う.
― 市中なのに肺炎の起因菌がグラム陰性桿菌であったり,髄膜炎の起因菌が腸球菌であったりというような,なんだか違和感のある菌体が起因菌だったときは糞線虫の存在を想起する.
― 浸淫地の出身・居住歴のある方へ免疫抑制剤を使用した後に罹患した感染症を診療するときは糞線虫の存在を想起する.
― 糞線虫を迅速に診断するには便の直接検鏡(生スメア)や痰・便のグラム染色を行う.
― 細菌感染の治療を行いながら駆虫も行うことが重要.

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