第1特集 いつもの発熱診療をすり抜ける重症感染症
見逃したくない感染症リスト
リケッチア感染症
宮里 悠佑
1
1橋本市民病院 総合内科
pp.740-744
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025060009
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Point
― 皮疹・血小板減少・肝障害を伴う急性発熱ではリケッチア感染症を鑑別に含める.
― リケッチア感染症による皮疹は発症からやや遅れて出現することがあり,時に薬疹との鑑別が困難となる.
― 家族の罹患歴や野外活動歴があれば,リケッチア感染症をさらに疑うきっかけとなる(野外活動などのマダニとの曝露がはっきりしないリケッチア感染症にも注意が必要).
― リケッチア感染症を疑ったら,身体中をくまなく診察し,痂皮を探す.痂皮の存在そのものがリケッチア感染症の診断に有用であり,痂皮の遺伝子検査は確定診断に有用(ただし,痂皮が見当たらなくてもリケッチア感染症を否定しない).
― リケッチア感染症を疑ったら,確定診断を待たず,すみやかにテトラサイクリン系抗菌薬(ミノサイクリンあるいはドキシサイクリン)を投与する.

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