今月の主題 感染症—治療の実際
起炎菌別の対策
リケッチア感染症
橘 宣祥
1
Nobuyoshi TACHIBANA
1
1宮崎医科大学・第2内科
pp.1516-1517
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216706
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はじめに
現在わが国でみられるリケッチア症にはつつが虫病と腺熱リケッチア症がある,なかでもつつが虫病は,ここ数年患者の発生が増加する傾向にあり注目されている.しかも,少数ではあるが死亡例の報告もみられることは,適切な診断と治療が要求される感染症の1つであることを示している.
腺熱リケッチア症は,Rickettsia sennetsuを病原とし,伝染性単核症と同様の症状を示し,西日本で散発的に発生する疾患であり,感染経路や発生状況について現在も検索がつづけられている.予後はおおむね良好で,治療はつつが虫病に準じて行われる.したがって,ここではつつが虫病の治療を中心に述べる.
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