増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法
クラミジア/マイコプラズマ/スピロヘータ/リケッチア
リケッチア—Rickettsiaceae
八幡 照幸
1
1沖縄県立中部病院臨床検査科細菌検査室
pp.364-367
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208321
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Summary
リケッチア(Rickettsiaceae)は,小型の非運動性グラム陰性球・桿菌で,動物細胞のなかでしか増殖できない偏性細胞内寄生細菌である.ダニやシラミなどの節足動物を介してヒトへ感染するが,生体外では速やかに死滅する.リケッチア感染症は,リケッチア目に属する6属菌(Rickettsia属菌,Orientia属菌,Anaplasma属菌,Ehrlichia属菌,Neorickettsia属菌,Neoehrlichia属菌)によって引き起こされ,米国疾病管理予防センター(CDC)は,紅斑熱群,発疹熱群,発疹チフス群,その他のリケッチア症群に分類している1).
わが国では,①日本紅斑熱,②ロッキー山紅斑熱(RMSF),③つつが虫病,④発しんチフスの4疾患が4類感染症全数把握疾患に指定されている.RMSFは2020年11月現在まで国内での報告はない2).
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