第1特集 診療所救急 かかりつけ患者の症状,どこまで診る?
こんなときは転院? 対応可能?
イントロダクション
坂本 壮
1
1総合病院国保旭中央病院 救急救命科
pp.296-300
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025030002
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
診療所という場には,救急外来にはない特有の価値がある.限られた設備や時間という 制約がある一方で,患者の背景に深く精通し,継続的に寄り添えるという診療所ならでは の強みが,それを補って余りある.ここでは,単なる症状の診断や治療を超え,患者との 信頼関係を基盤とした診療が展開される.
時間的な余裕やフォローアップのしやすさを活用し,「経過をみる」という方針が治療 の一環であることを患者にも納得してもらいやすいのが,診療所の魅力である.そして, そのような信頼のもとに,軽症とみられた患者の異変を見逃さないための「時間を味方に つける」アプローチが可能になるのだ.限られた環境だからこそ発揮される診療所の力を, 改めて考察してみたい.
Copyright© 2025 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.