特集 血液培養 &グラム染色 に恋せよ
血液培養編
クリニックに血液培養は必要か
中野 景司
1
1医療法人社団ワッフル ぐんぐんキッズクリニック
pp.22-25
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024010004
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はじめに
この特集号を手に取った諸氏には言うまでもないが,血液培養の目的はただ1つ.「菌 血症」の診断である. 菌血症という疾患は,一般的には高次医療機関で発見・治療されるケースが多いが,当 然ながら基礎疾患のない菌血症の大半は家庭など日常生活の場で発生している.一昔前の 刑事ドラマ風に言うなら「菌血症は病院で起きてるんじゃない! 家庭で起きてるんだ!!」 という感じだろうか. となれば,「菌血症診断のためにクリニックでケツバイが必要か不要か」と問われたら, 地域の健康を最前線で守るクリニックとしては当然「必要」と言わざるを得ない.しかし, 「容易か困難」か,あるいは「クリニックですべきか病院に任せるべきか」と質問の切り口 を変えると,その態度は軟化してしまう. 筆者のクリニックは2023年春に開院10周年を迎えた.開院当初はクリニックでも積 極的にケツバイを取っていたが,近年はほとんど行わなくなった.本パートではクリニッ クでのケツバイの経験と,この10年間でのクリニックにおける菌血症の変遷をお伝えし たいと思う.
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