特集 発達障害×慢性疾患
発達障害×慢性疾患 ケースレポート
発達障害×子どものインターネット依存
館農 勝
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1特定医療法人さっぽろ悠心の郷 ときわ病院 ときわこども発達センター
pp.984-988
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023080010
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はじめに
インターネット(ネット)はわれわれの生活に欠かせないものとなった.内閣府は,毎年 『青少年のインターネット利用環境実態調査』を行っているが,令和4年(2022)度調査1) では,中高生のネット利用率は99%であった.また,1歳で30%,5歳で80%の子ども がネットを使用していた.そのような状況を背景に子どものネット依存が大きな社会問題 となっている. 筆者らが行った日本児童青年精神医学会認定医414人を対象としたゲーム・ネット依存 に関する調査でも,多くの医師がネット依存の相談を受けていた2).ゲーム・ネット依存 の併存症についてたずねたところ,およそ85%の回答者が,自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)と注意欠如多動症(attention deficit hyperactivity disorder: ADHD)をあげた.海外の研究でもADHDとネット依存に関する報告は多く,発達障害は ネット依存のリスク因子といえる.
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