特集 不明熱のカルテ
院内不明熱
進行期肺がんに化学療法施行中,倦怠感,微熱,食欲不振を呈した75歳男性
中村 孝人
1
1奈良県西和医療センター 総合内科
pp.248-254
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023020019
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ファーストインプレッション
● 免疫関連有害事象(immune-related adverse events:irAE)を含む抗がん薬投与の副作用 ● 何らかの感染症の初期 ● 肺がんの悪化 ● その他 免疫チェックポイント阻害薬投与中に生じた倦怠感,微熱,食欲不振に着眼するとirAE の可能性がある. 抗がん薬投与中の上記症状という視点からは,免疫不全関連感染症にも留意が必要であ る.炎症反応が通常よりも生じにくい状況下では,典型的な感染巣の局所症状を呈さない 可能性がある. また悪性腫瘍の悪化の可能性は常に鑑別として念頭に置く必要がある.なお,鑑別疾患を あげる以前の前提として院内発熱診療に関してネモニクスを用いて診療に漏れがないように 努め,研修医教育にも活用している(表1,当院は心血管系疾患が多い状況も踏まえ作成).
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