特集 不明熱のカルテ
古典的不明熱
声門がん化学療法中,肺炎球菌菌血症治療中に院内不明熱を生じた71歳男性
佐田 竜一
1
1大阪大学大学院医学系研究科 変革的感染制御システム開発学
pp.212-216
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023020013
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ファーストインプレッション
抗腫瘍療法中に生じた菌血症に対して治療中の発熱であり,3段構えで診断していく必要があると考えた(図1). 1) 菌血症関連の発熱 感染性心内膜炎,膿瘍,椎体炎など,菌血症に紐づく転移性感染症など 2) 一般的な院内不明熱 肺・尿・皮膚+“7D”(Device/Debris/Decubitus/Difficile/DVT/CPPD/Drug) 3) 腫瘍診療に関連した発熱 咽喉頭周囲膿瘍,放射線性肺臓炎など 以上を鑑別疾患とし,これらについての追加問診・診察,および検査として血液培養2セッ ト再検,経胸壁心臓超音波,頸部〜骨盤部造影CTを施行することとした.
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