みえる! わかる! 循環器のくすり 心不全・高血圧編 第3部 用語解説
25 心不全の定義
永田 春乃
1
1琉球大学病院循環器・腎臓・神経内科学
pp.662-663
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2026040035
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われわれの体は血液を循環させることで,各臓器に酸素や栄養を送り生命を維持しています.全身に血液を送るポンプの役割をしているのが心臓です.心臓は拡張と収縮をくり返しながら絶え間なく各臓器へ酸素や栄養を送っています.左心室から大動脈を通じて送られた血液はさまざまな臓器に送られ,静脈から右心房,右心室へと返ってきます.このしくみを体循環といいます.その後右心室から肺動脈を介して肺に血液が送られ,酸素(O)と二酸化炭素(CO2)のガス交換を行い,肺静脈から左心房,左心室へと返ってきます.このしくみを肺循環といいます.これら体循環と肺循環をくり返しながら生命を維持しています.しかし,心臓の構造異常や何らかの原因でポンプ機能に異常が出ると,体循環,肺循環ともにうまく働かなくなり,循環を維持することが困難になります.その結果,心拍出量の低下,組織への低灌流が生じ,呼吸困難,浮腫,倦怠感などの症状を認めるようになり日常生活への支障を来すようになります.この,心臓の異常による症状出現や運動耐容能の低下を心不全といいます.心不全は疾患の名前ではなく,臨床症候群という認識です.国際的には,以下の①と②を満たすものが心不全と定義されています1).
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