連載
腫瘍薬学ハイライト PARP阻害薬の抗がん薬としての適応拡大
川西 正祐
1
1鈴鹿医療科学大学
pp.1176-1177
発行日 2023年5月5日
Published Date 2023/5/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023060033
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
DNA修復を標的としたPARP〔ポリADPリボースポリメラーゼ,poly(ADP–ribose)polymerase〕阻害薬は,抗がん作用を示すことがある.正常な細胞では,PARP阻害薬がPARPによるDNA修復を阻止しても,他のDNA修復機能であるBRCA(breast cancer susceptibility gene)1/2タンパク質が存在するため,生き残ることができる.しかし,BRCA1/2タンパク質が欠損したがん細胞の場合,DNA修復機能がなくなり,がん細胞は死滅する(図).そのために,PARP阻害薬はBRCA 1/2遺伝子変異陽性がん患者に高い抗がん作用を示すと期待される.
Copyright © 2023 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.