連載
腫瘍薬学ハイライト メトホルミンはがん予防・治療薬になりうるか
川西 正祐
1
1鈴鹿医療科学大学
pp.2240-2241
発行日 2023年12月5日
Published Date 2023/12/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023130029
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ドラッグ・リポジショニング(既存薬再開発)とは既存薬から別の薬効を見出す方法である.がん予防薬・治療薬の開発例として本誌2023年10月号(Vol.74, No.11)はスタチンを紹介したが,今回はメトホルミンを解説する.
メトホルミンは1950年代から糖尿病の治療に使われ,60年以上の使用実績があり,現在では2型糖尿病の標準薬になっている.一方,メトホルミンは種々のがんリスクを減少させることが報告されているが,がん予防・治療薬になるとの証明が乏しいとの研究報告も数多くある.そこで,メトホルミンによる発がんリスクの低下に関する疫学研究を多く集め,因果関係を調査するメタ解析の最新の論文を紹介する(表).
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