薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
外用剤
65 初回通過効果
-坐剤の吸収過程の特徴は?
山本 佳久
1
1帝京平成大学薬学部物理薬剤学ユニット 教授
pp.744-745
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040123
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初回通過効果とは
内服した薬物は,胃や腸などの消化管で吸収された後,肝臓に直結する門脈を通過します.そうして肝臓に到達した薬物は,薬物代謝酵素などによる代謝を受けます.これを初回通過効果とよびます.ただし,すべての薬物が代謝を受けるわけではなく,代謝をまぬがれた薬物が肝静脈から下大静脈に入り,心臓から全身へ分配され効果を発現します.そのため初回通過効果の大きい薬物は代謝される割合を見越して多めに投与量を設定しなければならず,初回通過効果は薬物の投与量設定のための重要な情報であるといえます.
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