診断のポイント
食道の通過障害
山形 敞一
1
1東北大内科
pp.1563-1564
発行日 1966年11月10日
Published Date 1966/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201538
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悪性腫瘍をまず念頭に
食道の通過障害を起こす原因にはいろいろあるが,まず最初に考えるべきことは悪性腫瘍が原因となつていないかどうかということである。食道の悪性腫瘍としては食道がんと食道肉腫とあるが,いずれも早期手術以外に根治する方法はないから,これを見おとさないことがたいせつである。そのほか縦隔腫瘍の圧迫による食道の通過障害も早期診断が必要である。また瘢痕性狭窄や特発性食道拡張症による食道の通過障害も,場合により手術を考慮しなければならないこともあるから診断上重要なものである。
食道の通過障害を起こす良性の病気としては食道良性腫瘍,食道裂孔ヘルニア,食道憩室,噴門けいれん症などがあるから,これらの病気を正確に診断することも必要なことである。
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