薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
代謝
14 タンパク質の高次構造・多量体形成
-インスリン製剤ごとに作用時間のピークが違うのはどうして?
浅井 考介
1
,
柴田 奈央
2
1ヤナセ薬局
2アトリアふじ薬局
pp.636-637
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040072
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通常,タンパク質は,アミノ酸が単に平面状に連なっただけ(ただのポリペプチド鎖)ではありません.実際には,ペプチド結合どうしやアミノ酸の側鎖の原子が水素結合〔原子が電子を引っ張る力である電気陰性度の差によって生じる,プラス(δ+)とマイナス(δ-)を帯びた電子的なひずみで形成される結合〕などを形成するほか,それらのポリペプチド鎖が三次元的につながり,会合するなど,立体的な高次構造を構築します.もちろん,51個のアミノ酸から構成されるタンパク質であるインスリンも同様です(図1).
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